反骨と異端

アウトローは文化だ

独身男女がお金を貯めこんでいても

結婚式に400万、不妊治療に800万、マンション買って頭金700万、認可外保育園に生まれた子どもが病気持ちで500万円パー…とか、世間にはざらにあるので、むしろ35歳までの男女にはやりたいことがあるのなら全部お金遣って、やりたい放題やってから結婚したほうがコスパがいいですよ、と言いたい。

 

海外へ出るのも、好きな動物と暮らすのも、想像しているよりはずっとお金がかかります。結婚して貧困落ちしたとしても、孤りじゃないから、夫婦で乗り切っていけばいいだけです。独身時代にお金を貯めこんでいると、相手にお金が無かった場合に、自分が自腹切るような話になるし、結婚してから海外行ったり、自分のためのスクールに数十万~数百万払えないでしょ。

 

大昔に田中康夫が自著で「独身時代に貯金400万円以上貯めてる女子を見ると、僕は頭が痛くなります。独身時代に自分でお金遣って試行錯誤した経験値が無いと、結婚・出産以降は、たいしたことない男(夫)の顔を見ているだけでストレスが溜まりますよ~ん」とか書いていたのをよく思い出す。

 

本屋へ行けばマネー本が山のように積まれ、読むべき価値がある投資指南本から“読むだけで富裕層になれる”ポエム系まで、わんさと出版されています。貯めることを考えるのは40代以降、「守りに入ってから」の方がよいとも思う。若い人が“貧困嫌だ”と貯金節約に走ると、そこで成長が「とまる」。

 

若い人が「節約してお金を貯めよう!」と決意すると、最初に「文化」を削るでしょ。

 

「本に金を遣いたくない」「映画はDVDで十分」「海外行っても金ばかりかかる」「服はネットで買う」「新聞なんかもちろん取らない」「スクール行かない」「高級料理店行ったことない」「超一流店入ったことない」「デパートに近寄らない」等

 

節約しようと思えば、「文化」なんか真っ先に削られるパートであるが、「文化」が無いと中高年以降は自分の価値がしぼんでいくことになる。

 

若い頃、デパートに入り浸ってさんざんブランドものの服に費やした。結婚して自分にお金かけられなくなった。でも20代のころの蓄積と試行錯誤があるから、綺麗を維持するための土台ができていて、子育て中もみすぼらしくならないで済んだ…とか。

 

若いころ映画監督目指して、自分で稼いだお金は全部自分の作品に投入して、結局、監督としてはものにならなかったけど、中年期になってもシナリオライターとかフリーのライターとしてなんとか自分の作品を作り続けていられるのは、20代のころに培った経験値のおかげ、とか。

 

「文化」は金を食うので、特別に文化的な人はともかく、一般的な男女は「文化」無視で貯蓄に走りがちなのであるが、「文化」が無いと日本語の文章も書けない中高年になる。特に重視したいのは、文字情報よりも、「言葉を失う」ような体験、超一流に触れて、圧倒される経験であろう。“超一流のレベル”を体感したことがない中高年が超一流に化けるのは不可能である。

 

「中高年になって、資産をつくってから、文化に触れればいいではないか」…という人もいるかもしれないが、若い頃と中高年では、「咀嚼・吸収の力がまるで違う」ので、20代のころの自己投資10万円分と、40代の自己投資10万円分は、同じ10万円でも価値がまったく違う。