反骨と異端

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なぜ、一流になる男は軽自動車を買わないのか(里中李生/ベストセラーズ)

 

なぜ、一流になる男は軽自動車を買わないのか

なぜ、一流になる男は軽自動車を買わないのか

 

わたしの目には「自家用車」=「負債」にしか見えないので、著者のように自動車が好きで好きで大好きで、ものすごいこだわりのある人がどのような基準で車を選んでいるのか?興味があって読んだ。

 

著者は車評論家というよりは、自己啓発本で有名な人なので、車選び以外の話も長いが、それでも車に対するなみなみならぬ愛情やこだわりが伝わってくる。

正直言って、「普免が欲しい」とか、「車買いたい」と1回も思ったことがないわたしには異星人の話ではあったのだが、車フェチの人には共感できる部分が多いと思われる。

 

自家用車の選び方…として著者が重視するのは意外に「安全性」である。

本書を読んで、ベンツとかBMWとかボルボといった、私でも名前を聞いたことがある高級外車が実は安い車に比較して、圧倒的に安全な乗り物である(らしい)という点を知った。

軽自動車がダメと言い切るのもひとえにその安全性や運転のしにくさにある(らしい)。

個人的に、高級車に乗りたがる人=見栄っ張りだと思い込んでいたのだが、ベンツはいかに安全かという点について、微に入り細に入り説明してある。

 

若者の自動車ばなれと言われるが、ひとえに自家用車は「負債」だからである(わたしの説である)。「自家用車を30年保有するコストは3000万円」という数字を読んだことがあるが(大学の計算チームが試算したもの)、本書を読むと、「30年で3000万円」は別に大げさな話ではなく、里中さんはそのくらい遣っているのではあるまいか。

3000万円あったら全部貯金しておけば、下流老人にならなくて済む。NHKの老後貧困シリーズがうける時代には、黄色いナンバープレートの軽自動車しか売れないのだ。

 

高度経済成長時代は過去の話であり、里中さんが推奨するような“一流の男の一流の生き方”も、どちらかというと高度成長時代の名残のようなイメージがある。

ゼロ成長・マイナス金利・ゼロフロンティア時代に、若い連中の所得が伸び悩みがちな時代に、自家用車コストをかけられない…というのは、ふつうの判断である。

 

本書を読むと、日本政府も国民が自家用車を保有することを、推奨しているのか、それとも重税をかけて反対しているのか、よく分からなくなる。

 

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