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反骨と異端

やどかりアウトロー編

裁判所の「管轄」とインターネット時代

みんなの裁判所 裁判のやりかた

別に法律家ってこともない素人が本人訴訟を提起しようと考えた時に、最初に知っておかないとやばいのは「管轄地」の問題ではないだろうか。

自分が住んでいるところの管轄地の裁判所に申立書とか訴状を出すのだが、民事訴訟の場合は相手方(訴える相手)の住んでいる場所の管轄裁判所に提起する必要があるのは有名である。

しかしインターネット時代にはよく遠隔地の相手とトラブルが起こる。自分が東京に住んでいて、福岡の相手とトラブルになって、相手を訴えたいと考える。インターネットだけでしか知らない相手であったとすると、この場合は民法上の特例により、自分の管轄地の裁判所に訴訟を提起できる。

訴えられた相手にすると大変である。ある日いきなり遠い裁判所から特別送達で訴状が送られてくる(といっても、事前に裁判所は相手方に電話をかけてから書類を送るが)。こういう場合どうするか?裁判所も「法律通り、訴状が出された裁判所へ期日に来てください」とは、かわいそうだから言えないのである。裁判が行われるのは平日昼間であり(土日祝の法廷なんか無い)、わけのわからん相手から出された、意味不明な訴状のために、1日潰して福岡から東京までやってこなければお前は敗訴だ…というのは、ほとんど暴力である。

そこで登場したのがジャジャーーン、裁判所名物?の「電話会議システム」である。裁判所の「法廷」はいわゆる法廷っぽい法廷だけが法廷ではなく、普通の部屋みたいな、真ん中に大きめのテーブルがどんと置かれているだけの普通の部屋みたいな「法廷」もある。“裁判に秘密は無い”と言っても実際は密室の中で行われる“法廷劇”もある。この電話会議システムはテーブルの上に置いてある銀色の円盤のことで、福岡と東京という遠い場所にいる二者を、相手方の携帯電話と、こちらの裁判所がつながって、会話だけで進められる法廷である。

 

臆病者のための裁判入門 (文春新書)

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