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反骨と異端

やどかりアウトロー編

わしらはカネでは縛られへん

今週、ヤクザコンテンツ界隈で目立っていたのがこの方。

news.livedoor.com

朝日新聞東京社会部の緒方健二記者(57)、ヤクザジャーナリズムのプロ…と呼べそうな方ですが…が…。悪気ゼロなんだろうけど、読んでいて“えっ?!”という個所も。

 

(緒方健二記者)「ヤクザは、若い人を街でスカウトしています。例えば漫画喫茶で、バイト暮らしをしているような若者を見つけて『割のいいバイトがある。成功したら即金で50万』とかささやきます」

  

織田さん@神戸山口組のことですかね?“1行100円”でバイト雇ってネット部隊やってるヤクザの人なら有名ですけど…。「1行100円の高待遇案件どこ?!」「俺もやりたい」って、ネットの一部で騒然となっていましたが。

 

(緒方健二記者)「画像でも金を稼ごうと、ヤクザたちはネット検索をしてます。私は技術的なことはわからんのですが、ネット上に出回っている画像から、彼らは投稿者の個人情報まで割り出すことができるそうです」

  

“ネットに出回っている画像から投稿者の個人情報を割り出す”なんて、かなり高度な訴訟能力がないと無理なんじゃなかろうか。これってTwitterとかブログに貼ってある画像から個人を割り出すって話でしょ。警察以外でそんな情報開示に応じる義務はプロバイダに無いような…。

2ちゃんねる専門弁護士もいるが、最低でも1~2回は裁判所を経由しないと、プロバイダは発信者情報を開示しないという気もする。

ヤクザ組織がプロバイダーを経営していない限りはまず無理。でもわざわざそういうプロバイダの無料コンテンツにいわくありげな画像貼りますかね?

Facebookの場合は、身バレしたのは自分が個人情報を書いている場合が多い。

つーか本当にそんな技術力(訴訟能力)がヤクザにあるのなら、さっさと「慣れ果て」さんを個人特定してヒットマンでもなんでも送ったらどうなの。それができないからあれだけ振り回されているのに…。

緒方記者も『ヤクザライフ』を一読したほうがいい。某ヤクザ幹部が、ネットに書かれた自分の悪口に心を痛めて、個人特定しようと四苦八苦するシーンが出てくるが、方法と結果(顛末)が何も書かれていないところを見ると、結局、自分に対する誹謗中傷であっても特定や削除の方法が彼にはよく分からないらしい。

 

あくまで個人的な印象でありますが、この緒方健二記者も、溝口敦無双とあまり変わらない人種なのかなと思いました。怖い犯罪ならなんでもかんでもヤクザの仕業になってしまうんだな。

「ヤクザが怖い」のは事実でありますが、ヤクザがやっていないことまで並べて、素人の学生相手に怖がらせるというのはいかがなものかという気もするのでした。

「お金だけでヤクザ組織はつながっている」と読めないこともないこの記者の記事が何本かネットに出ていますが、お金だけじゃあの連中は言うこと聞きませんて。お金だけで縛っているようでお金だけじゃ人の心は動かないなあ…と思っていたら、前に読んだ本の1節を思い出したのでメモ。

 

山口組三代目組長としてのお父さんの世界は、私にはよく分からない。組のことが私にはわかるはずもない。

でも単なる利害関係だけで、つながっているとはとても思えない。組織自体は大きいから力があって利益もあるだろうけど、個人個人についてみれば、これは明らかに好き嫌いの世界。親分が好きだからついていく。嫌いならもうおしまい。

お父さんが、企業のトップの方に話していたことがある。

「あなたがた社長さんはラクですよ。カネで縛れることもありますやろ。わしらはカネでは縛られへん」

気持ちの集団、心や信頼関係で結ばれている集団。お父さんも、そういう部分をすごく大事にしていた。そうなると親分はある種の教祖的存在になる。事実そういう話もあった。「宗教団体にして、田岡教をつくりませんか」と。その時はお父さん、「今さら、わしが頭丸めてどうするのや」。その一言でその話は立ち消えになった。しかし冷静にながめてみると、この組織は一種の宗教団体に似ているように思える~『お父さんの石けん箱』 (田岡由伎/ちくま文庫)

 

お父さんの石けん箱―愛される事を忘れている人へ。 (角川文庫)

お父さんの石けん箱―愛される事を忘れている人へ。 (角川文庫)