反骨と異端

アウトローは文化だ

アメリカン・ドリームは無かった

昨晩おそくTVでエマニュエル・トッドの特集をやっていました

f:id:ubiquitous2011:20161106152034j:plain

特集といいますか、トッド本人が出てきて、日本の現状や米国の大統領選挙について考えを語る…というスタイル。

日本で大人気のトッドですが(この人が日本でうける理由は、わかりやすく国際関係を説明してくれるからだと思う)、わたしは最初の10分くらい見ました。

エマニュエル・トッドによると、いまの米国では「大学に入学して卒業できた組」と、「中退した組」での格差が拡大していて、大学を卒業できる人は全体の4割程度なのだそうです。

大学を卒業した、米国社会の上位30%の人達は国を支配する方に回ります。

いわゆる没落しそうな「白人中間層」とは大学を中退した6割のほうで、この人たちの年収は、ゆるやかに下降しているのだとか。

番組中、トッドは「アメリカンドリームの終焉」という風に説明していましたが、思えばアメリカンドリームなんぞ最初から「無かった」という方が事実に近いようです。

ごくごく一部の成り上がり者をサンプルにして、“見ろ、やればできる、できないのは本人が怠慢だからだ”といって手を貸さない共和党的ネオリベ的思想に、都合がよかったのが「アメリカンドリーム」なるキーワードでした。

…というか、「アメリカンドリーム」というのは、アメリカがまだ建国してから300年しか経っていない“若い国”だから国民にうけたキーワード。

日本や欧州のように歴史の長い国で、ああいうドリームを訴えても、“そんなことをしたら社会がめちゃくちゃになる”という点が経験から分かっているので、うけない。

サンダースみたいに極めて日本型の社会保障システムに近い福祉制度をうったえて、あれだけの支持率をかき集めたところを見ると、日本やドイツのような歴史のある国に、アメリカが追随するようになる日も近いのでしょうか。

トランプが受けているのは、有色人種ではなく、この大学中退した「白人中間層」であり、彼等の絶望感がヒラリーをあれだけ苦戦させているのだ…というトッドの分析でした。