反骨と異端

やどかりアウトロー編

何が「治安の良さ」を決定するのか?

私は40代だが幼少のころから、“日本は治安が良い、日本の治安は世界トップレベルだ”と聞かされて育ってきた。

暴力団の構成員数が8万人くらいいた頃であっても、“日本は治安が良い”ということになっていたし、近年では特にそうである。

実際に日本は他の国に比較して治安がよい。

人口10万人に対する凶悪犯罪(殺人・放火等)の出現する割合とか世界最低レベルである。

なぜ日本は他国と比較してこんなに治安が良いのだろうか?という問いは一考の価値がある問題である。

ヤクザの実数と日本の治安は、相関関係が無い。

 

日本の治安の良さの理由とは、まず①単一民族であるという点と、②日本語がどこでも通じる…という二つの理由に由来すると思う。

①日本の場合は、難民移民を原則として受け入れないで強制送還かけるし、日本人とその他という風に割と差別感情も残っている。

中国みたいに民族統合が出来ていないとか、米国みたいに白人層、アフリカ系、ヒスパニック系、アジア系…と民族が各派閥を作っていて、それぞれ別の言語を話している…という状態だと、民族同士の軋轢や葛藤や不理解を生じやすく、当然のことながら国内の治安は一気に悪化するのである。

国内のどこでも普通に日本語が通じる…これを当たり前だと思ってはいけない。他国はそうではなく、言葉が通じない異民族が入り乱れて利権争いやっているような国はおしなべて治安が悪い。

 

阿部彩によると、日本の治安の良さとは③格差が目立ちにくい国であるからとあって、阿部彩の言うように、「格差係数」だけで、(民族統合や言語を無視して)治安の良しあしの構造的理由…に落とし込むのも多少無理があるような気がするが、私見ではなく、一般的には、治安の良さを決定するのは「格差(がどれだけ目立ちにくいか)」である。

日本も近年、格差が拡大して、この先階級社会が固定化する…と言われているが、よく考えると戦前からずっと日本は階級社会だったのだが、格差が目立ちにくい社会構造だったのである。

なぜ日本の格差は目立ちにくいのかというと、日本の老後の社会保障は世界トップレベルだったからで、「国民健康保険制度」と「国民年金制度」という、他の先進国なら考えられないほどの政府の大盤振る舞いによるものである。

特に「老人医療費無償」によって、老後は富裕層であっても、マス層であっても、実際の生活レベルは大差がないという国を戦後に作り上げてしまった日本人は、少なくともこれまでは格差を痛感することなく生活できてきたのであって、そういう社会構造(福祉インフラ)がある国と、まったく無い国(全部、自己責任でやってくださいという国)では、治安のレベルは天と地ほどに違っているのが普通である

 

ゆえに、日本の治安の良さの原因とは、複数の構造的理由が考えられるのだが(上記以外にもありそうである)、別に「日本の警察の捜査能力が優秀だから」とか、「近年ヤクザの数が減ったから」治安が変化するというものではないのである。