反骨と異端

アウトローは文化だ

『紀州のドン・ファン』こと 野崎幸助さんと薬物とセックス

溝ちゃんこと溝口敦氏の『薬物とセックス』によると、キメセクによる快楽の増幅の度合いは男女で差があって、男性は通常の7倍、女性は30倍だそうな。本の中で溝ちゃんが「男性は覚せい剤の使用によってセックスの快楽が増幅するとはいってもその程度らしいから、なぜ犯罪であると知りながら手を出すのか分からない、30倍ならともかく」というような疑問を呈していたのが印象的だった。

紀州ドンファン氏であるが、例の若い妻をもらってから3か月かそこらで死亡してしまったのだから、彼が資産家であることを鑑みて、当然「妻」が変な目で見られるのだが、私は報道を読んでいて、これは事件ではなく事故なのかなとぼんやり思った。

警察は当然、妻の身体や血液に覚せい剤の使用の痕跡があるかどうか調べるだろう。爺さんとはいえ致死量の覚せい剤を自宅で使用していたのだから、相当の金額を誰かに支払っているはずで、その金の出所を探ろうとするだろう。

普通、キメセクで覚せい剤中毒死しないと思うが、それが死んだのだから、かなりの量と金額を費やしているのである。暴力団筋から長期間、購入し続けていたのであれば、人脈も必要である。そこまでの危険をドンファン氏以外の人間がおかすかどうか。

んで、紀州ドンファンであるが、彼が生きていた間に、自分が使用しているのが覚せい剤であると「知らなかった」可能性はゼロに近いように思える。ドンファン氏は本では「美女と快楽を分かち合うためなら、大金も惜しくはない」と書いていたのだから(文章はこの通りではない)その快楽を薬物によって増幅することの心理的なハードルもそんなに高くなかったのではないか。もっとも現時点で、犯罪になってることは間違いないのだが、当人があの世だからなあ。

ドンファンらしい最期と言えばそうである。ある意味「貫いて」死んだわけで、あっぱれである。本を読めばわかるが彼は常識人だから「人間やめますか」を熟知しながら、色事に魂を売った男として一度は若い美女とキメセクに思う存分ふけってみたかったのかな。

薬物とセックス (新潮新書)

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