反骨と異端

アウトローは文化だ

『NATOの教訓 世界最強の軍事同盟と日本が手を結んだら (PHP新書)』(グレンコ・アンドリー 著)

本当のエリートとは、国民世論に迎合するのではなく、時に世論に逆らってでも、国を正しい方向に引っ張るものだ。たとえば日本では、国軍の保有に反対する世論、女性宮家に賛成する世論が強い。では、権力者はこうした民意に迎合するべきなのか。筆者の意見は違う。  明らかに間違った世論は無視し、国家にとって本当に必要なことをするのが権力者の役目である。ジュカノヴィチはまさにそれをモンテネグロで実行した。  国民に正しい認識が浸透している時に、指導者にとって国を動かすのは難しくない。むしろ、間違った世論を押し切って、国を発展させる指導者こそ、優れた指導者だと言える。

***
認識しなければならないのは、本章で解説したヨーロッパの重度な平和ボケの状態さえ、日本の現状より遥かにましだ、ということである。ヨーロッパ諸国には「平和憲法」もなければ「非核三原則」もない。防衛費の対GDP比1%枠もなければ、武器輸出に関する自主規制もない。何よりも、ヨーロッパではNATOという強力な軍事同盟が存在し、加盟国の平和を維持している。精神的な面においても、物理的な面においても、日本はヨーロッパ以上に危険な状態にある。

(『NATOの教訓 世界最強の軍事同盟と日本が手を結んだら (PHP新書)』(グレンコ・アンドリー 著)より)