反骨と異端

アウトローは文化だ

ムッソリーニの正体~ヒトラーが師と仰いだ男(舛添要一 /小学館新書)

ヒトラーの思想の主要な柱は反ユダヤ主義ですが、ムッソリーニ反ユダヤ主義とは全く無縁でした。ムッソリーニは、人種とは生物学的現象ではなく精神的現象だと考えており、そもそも古代から多くの人種が混交してきたイタリアで、「純粋な人種」などというものは考えられなかったのです。  ムッソリーニは、「純粋な人種など存在しない。ユダヤ人だって混血している。混血がうまくいくと、国の力と美が強化される。人種は、現実ではなく、感情だ。少なくとも95%は感情なのだ。…イタリアには反ユダヤ主義は存在しない。イタリアのユダヤ人は善良な市民であり、戦争では勇敢に戦ってきた。多くのユダヤ人が、大学、軍隊、銀行で主導的な地位に就いている」と、1932年に述べています(*12‐2 69~70P)。

ムッソリーニ劣化コピーのようなヒトラーの、心の師ムッソリーニに憧れるも振られっぱなしの姿がいじましい。本書によると、イタリアは世界で最初にファシズムを打ち立てた国であり、ムッソリーニはすぐにカッとなる性格と女の問題を除くとかなりの教養人だ。そもそも私も含めて日本人はファシズム=ナチズムだと誤解している。ムッソリーニは自分からはヒトラーには近づきたがらなかったが、それはファシズムをナチがやっていることと同じだと思われくなかったからじゃないか。